
久しぶりのナリトマのライブ。ビルボードという近い距離感。
演奏する側も聴く側も、圧倒的な期待と、少しの緊張がない交ぜになった空間は、やっぱり笑顔であふれていたと思います。
途中歌詞が抜けてしまったりする場面もありましたが、それがライブの醍醐味でもあり、(当たり前ですが)何度聞いても同じに聴くことができるCDとは異なり、そこに生身のメンバーがいるのだ、ということを強く感じる瞬間でもありました。
AIなど便利なツールが普及している現代ですが、リアルが一番だなぁと思いました。
「冒険者たちのうた」「Hello! Hello!」で始まり、エレキギターからアコギに持ち替えて「One Way」「クライシス」「名もない愛の物語」と昭次さんの作った曲を一気に演奏しました。
クライシスのイントロが流れた瞬間、会場から喜びの声が聞こえたような気がしました。前回のツアーでは演奏されなかったこれらの曲は、ファンが心待ちにした曲でもありました。涙されている方もいました。
少しだけ顔をしかめ、辛そうな、切ないような表情で、頬をつたう汗を拭うこともなく、力強く優しく歌った壮大な愛のうた「名もない愛の物語」
自身で作詞作曲した曲をどのような心境で“今”歌っていたのかな、と想いを馳せたくなりました。間奏で天井を見上げる仕草は以前からよくしていましたが、深い深呼吸をして気持ちを落ち着かせているように見えた以前と違って、余裕を感じられる姿に見えました。
ここからファンタジーメドレー
成田商事時代の曲も2曲含まれたメドレーは冒頭の「FANTASIA」とラストの「BIG BAND BEAT」は長めのアレンジとなっていましたが、とてもテンポよいメドレーでのりやすかったと思います。
そして「ボストンバッグ」
久しぶりのボストンバッグを聴いた時、この曲が発表になった当時の様々な記憶がよみがえってきてしまい、青山さんのロールでその頃に連れ戻された気がしました。
楽しいだけではなかった当時、自分の中に渦巻く良い感情も悪い感情も消化されるような気持ちになったことを覚えています。
昭次さんにとっては、覚悟を持って名古屋から東京に来た時の心境が現れていたような曲かと思いますので、未来が不透明で不安だった頃を回想していたかもしれません。
曲も生き物なので、演奏した日の気持ちであったり、時の経過と共に変化し、育っていくものなのだなと感じました。
本編ラストの曲は「いっぽんみち」
ボストンバッグといっぽんみちは、それぞれ2021年と2024年にリリースされた楽曲。「旅はまだこれからさ、諦めちゃだろう」から「人生はいっぽんみち」につながり、昭次さんの歩んできたこの数年の過程が浮かび上がっていたように思います。
ソロライブ、成田商事、NARITA THOMAS SIMPSONとライブを重ねていく中で培われた「半分の自信」と依然として存在する「半分の不安」。私の目にはそれらが共存しているように映りました。
その自信と不安の絶妙なバランスで、より良い曲作りや私たちを虜にするようなライブが完成しているのかもしれません。
2022年4月1日のソロライブで昭次さんが本格的にステージに戻ってきた時から、半年近くもライブの期間が空いたことはなかったと思います。それくらいファンもライブ尽くめの濃い3年間をお互い過ごしてきた中、少し間隔があいたことで、数年間日常に近い状態になりつつあったライブが、非日常の時間であることを再確認しました。自分の生活に音楽があること、ライブがあることに幸せを噛みしめました。
【以下ライブメモ】
・サポートメンバーは、ギター:岡くん、キーボード:サムくん&デビンくん。キーボードが2人いることで、音色に厚みが出ていた気がします。
・ビルボードは、呼人さんが初めて昭次さんと一緒に立った場所
・昭次さんは、RYOちゃんのライブで音楽活動を再開した想いでの地。その時は、足が震えて歩けないのではないかというくらいの緊張した。今も緊張はするが、そこまでではない。
・デビンくんがオープニングBMGを作曲
・メドレーの「社員募集中」の歌詞を”ナリタトーマスは社員を募集中です”に変更。ちょっと早口言葉っぽい。
・ボストンバッグの間奏のギターソロから歌に戻るのは忙しく、歌の入りが遅れ気味になってしまいましたが、ギターソロをじっくり聞けたのがよかったと思います。
・ビルボードLIVEにはビルボードタイムがある???(アンコールのことでしょうか(笑))
・1部の衣装は、昭次さんはイングランドの国旗をイメージしたシャツとゴールドのパンツ(最初ブラウンかと思いますが、あれはゴールドだったかと)。2部は緑をベースにしたチェックのスーツ、中はオレンジ(こちらは赤に見えましたが本人がオレンジと)の半そでシャツに星をあしらったネクタイ
・昭次さんの衣装を呼人さんは「十字軍みたいだ」と
・青山さんはメンバーの2部の衣装の色について、戦隊もののようだと表現(昭次さん:オレンジ、呼人さん:ブルー、青山さん:パープル のシャツ)
・1部では新曲「ギラギラ」、2部では「Long Rainy Day」を初披露。めちゃくちゃ小声で曲名のギラギラとは対極的な弱気な雰囲気で「ギラギラ」と曲名紹介をしたため、呼人さんに曲後につっこまれていました
BESTアルバムからの既出の楽曲が9割を占めるセトリでしたが、自分の気持ちを振り返る貴重な時間となりました。
過去を振り返り
今を見つめ
そして、未来への期待と希望を胸に
ライブに参加できる幸せな環境に
ただただ感謝
【セットリスト】冒険者たちのうた
Hello! Hello!
One Way
クライシス
名もない愛の物語
ファンタジーメドレー
・FANTASIA
・フィフティーズ☆ブギウギ
・社員募集中
・BPM!
BIG BAND BEAT
ボストンバッグ
いっぽんみち
<アンコール>
ギラギラ
1部:主人公 2部:Long Rainy Day
花火と君